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Explorer's Voice 〜先人の知恵〜
Vol.02
音田 誠二 さん
株式会社大地
音田 誠二 さん
事業承継インタビュー第2回は、コミッションゼロで離職者もゼロ(寿退社等除く)と、多くの不動産業の逆を行く経営で淡路島に深く根を張る株式会社大地を起業した音田誠二さんです。2019年に経営から退くにあたって「従業員のモチベーションのため」と家族内承継をしない選択をされただけでなく、所有株式も全て役員に分配しました。「何年も自分の欲と戦って、葛藤して、どうにか手放した」と笑う音田さん。その背景にあった思いを伺いました。
  • 本人プロフィール
    昭和31年、兵庫県洲本市生まれ。地元の洲本湖東学校の後、昭和54年に関西大学法学部を卒業。
    商社・建設会社を経て独立、昭和63年に不動産業「株式会社大地」を創業した。
    株式会社大地は令和2年、社内で事業承継および株式譲渡まで完了。
    趣味は音楽鑑賞・映画鑑賞・読書・模型製作、そして草刈り。
  • 会社プロフィール
    株式会社大地
    (DAICHI Co.Ltd,.)

    〒656-2131
    兵庫県淡路市志筑3318番地1
    http://www.daichi3.com/WP/

    1988年5月創立。事業内容は不動産業(宅地分譲・土地建物売買・土地建物売買の媒介・土地建物賃貸借の媒介・アパートマンション駐車場管理・上記に付帯する調査業務など)と測量・設計業(地上測量・道路設計・農業土木・用地測量・橋梁設計・区画整理・造成計画・都市計画)。現在の従業員は11名。
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「半日あれば本が一冊読める」
という幸せ
1.「半日あれば本が一冊読める」という幸せ
承継を終えた現在は
どのような毎日を過ごされていますか?
毎日朝5:30に起床して、家内にコーヒーを淹れたら6:00に家を出て、7:00に喫茶店で朝食を摂ります。7:30に会社に来て9:00からの営業会議に出たら、10時以降はフリーです。頼まれた仕事をすることもありますけど、大抵は借りている畑に出て農作業ですね。

今年65才なんですけど、会社をやめるまで「これからはあれをしよう、これをしよう」と楽しみでしょうがなかったのに、いざやめると「しないといけないストレス」が消滅したからか、不思議と肩の力が抜けてしまいました。
もともと海外旅行に行きたいとかクルーザーを持ちたいとかいった欲がなくて、農作業なんて好きじゃなかったのに、畑の草刈りをしてきれいになったな、近所の人としゃべったな、ぐらいで満足してしまってます。とはいえ、ご近所付き合いは引退したからと言って急にできるものじゃないですから、自然体で続けていきたいですね。
あとは学生時代の乱読が戻ってきた感じで、「半日あるから1冊読めるな」といったことが幸せだなあと感じています。
もともと引退後は
どのような目論見だったんでしょう。
あまり考えていませんでした。不動産コンサルタントをやろうと事務所も別に用意したんですが、今は単なる遊び場です。「秘密基地」と呼んでいて、趣味のオーディオや模型があるので同好の友人のたまり場。とはいえ同じ業界の人が多いので、そのまま仕事の話になることも多いですけどね。
それでご依頼を受けたら仕事をする、という感じです。
振り返って考えると、
承継のタイミングはいかがでしたか?
金融機関から文句が出にくいよう会社の業績が良い時を見計らいましたので、むしろあの時でないといけませんでした。
これも家族承継ではネックですよね。製造業・販売業などはまた別かもしれませんけど、常に土地資産分の借入金がある不動産業では、同族に譲っても保証の義務が消えません。
金融庁は地場産業を育てるために中小企業の事業承継を奨励していますが、実態として地元の金融機関は担保価値が減る不安、貸し倒れのリスクを考えて承継を認めたがらない。そこをどうするかです。

承継をスタートした5年ほど前は、県・市・商工会などで14ほどの役職もあって、そろそろ何かしらの「長」になるタイミングでした。
これを捨てるのか、という「欲」との戦い。結局僕たちの問題のひとつはそこだと思います。両極端ですけど「会社を引き立てるんだ」という思いで上昇志向を続けるか、全て捨ててゆったり暮らすか。
ただ当時、体調不良を言い訳に辞めたので、各所に心配をかけてしまいました。「実は健康です」とも言えず(笑)。
いただいた名刺だと「会長」の肩書きになっているのに、
大地のウェブサイトを見ると「一社員」にしか
見えない掲載になっているのが面白いですよね。
社長職を譲った後、名刺は顧問でも相談役でも良かったんですけど「会長」にしました。やっぱり30年間の蓄積があるので、会社と無縁になったわけじゃないよ、とお客さんに思ってもらうためだけのものです。
ですからそこを経由していただいたお話は、最初私が聞いたら引き継いでいきますので、順調に減っている感じです。
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