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Explorer's Voice 〜先人の知恵〜
Vol.02
株式会社大地
音田 誠二 さん
3
「人生100年時代」も
自然体で
3.「人生100年時代」も自然体で
会社をファミリーの資産にしない決断に、
奥さまは何もおっしゃられなかったんでしょうか?
妻とは共働きで、別に職があるから大地の経営に全く関与してないんです。ですから文句を言われるとしてもせいぜい愚痴といった程度。
家族が経営に深く立ち入っていたら、話は全く変わっていたでしょうね。
でも自宅があって田畑があって、夫婦粗食で、高額な趣味もなくて、お金なんてかからないですよ。退職金と、あとは僕と妻の年金で暮らしていけます。

現役時代は日付が変わるまで飲み歩いて、家では寝るだけ。子供が小さかった頃などはまさに「おかえり」じゃなくて「お父さん、また来てね」状態でしたから、妻はほっとしている様子です。そりゃお金があるに越したことはないでしょうが、ちゃんと家に帰ってきますしね。

不動産業って浮き沈みの波がものすごく大きいんです。必要な業種ですけど常に求められるものではありません。
そのため承継するまで保たず、一代限りでいい思いもしたけど落ち込んでいってやめる、という人が本当に多い。どこか刹那的な風潮のある業界ですよ。
ですから僕自身、長持ちするとは思ってなくて、会社として次世代を育てようという意識になったのは、ずいぶん経ってからでした。
しかし不動産業を家業にされる経営者も
いると思いますが……。
従業員にしてみれば、雇用されるモチベーションがコミッションだけだったりするのに、さらに苦楽を共にしたわけでもない「社長の子供」についてきてくれるかどうかでしょうね。規模を大きくしてもリスクが増大するだけですし。
周辺で社員10人以下の小さい会社の話を聞いていると、居丈高に労働基準法も無視している経営者がいっぱいいるんです。そうじゃない会社もありますが、会社を「家業」にしたら、子供がそういうひどい経営者になるかもしれない。
私個人として「ああはなりたくないな」と反面教師にしたというのもあります。
これから「人生100年時代」を迎えるとよく言われます。
これからの人生に向けて続けていることはありますか?
何か事業をやるにしても、4〜5年もあれば十分できちゃうんですよ。
ただ人と人の交流や交渉が薄れていくと言われる時代だからこそ、逆に不動産業の存在意義が広がる気もしています。ですから何か新しいやり方を実践して身につける、みたいなこともできそうですよね。

また社長だった時代から、ずっとマンツーマンの英語教室に通っています。英会話ではなく英文読解がメイン。使う予定も目標もない。海外旅行もしたことない(笑)。
ただ仕事をして疲れてヘトヘトの状態でも、夕方からの教室に行って1時間勉強すると普段使わない部分の脳を使うからか、頭が冴え渡るんですよ。その感覚が楽しくて続けてきました。

また小学生時代から続く趣味が模型作り。
子供の頃に買えなかったものを大人になって実現している感じです。1メートル超のものもあるので専用の部屋を用意して、仕事を終える頃合いになると「早く組み立てたい」とそわそわしてね。
軍艦、帆船、クラシックカーなどの模型で、構造物ひとつひとつに歴史がありますから講談社ブルーバックスなどの参考文献を数十冊読むんです。習得しないといけない組み立て技術もあって、ひとつ終わるのに数ヶ月かかります。
それらの制作過程は逐一SNSにアップして楽しんでますよ。
後を継いだ社長も、
そのうち承継を考えないといけません。
何かアドバイスはありますか?
「後継者を常に2人考えておけ」くらいですね。失敗したり方向転換したりはままあることで、地道に周囲を認めさせるしかありません。他に言うべきことはないですよ。
継がせ方支援推進機構でまとめられた「継がせ方支援事例」がよくできていて、あれは参考になると思います。
いつまでもオーナーとして株式を握れば、社長はその下で汲々とするでしょう。
社長のしんどさが分かっていれば、次世代にも全力で打ち込めるようにしてあげてほしいなと思います。
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